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優秀劣敗

2011年04月24日

小氷河期と戦国時代



なぜ室町時代末期になって国中が荒れて戦乱が続いたのか学術的な本を読むと
幕府の政策が破綻したから戦国時代になったのではないだろう書かれていますφ(.. )
金融貨幣経済にむかいつつあった金融に対して具体的な対策を打ち出せなかったことで
室町末期の金融が混乱して政府が威信を失ったという記述もありますが
一般的には、戦国時代は小氷河期の到来のタイミングに完全一致しているそうです
そして小氷河期がほぼ終わりを告げた1580年頃から徐々に経済も生産も回復に向かって
豊臣時代には気候がかなり温暖になってきたので経済も国も豊かに潤ったそうです

なぜこんなことを書いたかというとこれから金融に小氷河期がくると予感してるからです

まったく関係ないこともないでしょうけど単純に「地震の影響で〜」とは思っていません。
恐らくはもっと大きな枠の中で日本の金融市場の没落が根本的な背景にあると思います
東証の出来高の推移を見ると2006年以降から坂道を転げるように落ちてます
一方で、香港や上海、韓国といった他の金融市場は目覚しく伸びてきています
日本の金融市場は相対的に見ればまさに没落という言葉がぴったりです(((( ;゚д゚)))
3月は市場荒れてボラティリティが高かったので数字の上では誤魔化されていますが
3月の下旬以降、特に4月に入って東証の売買代金も1兆〜1兆1000億まで激減してます
東証のこの1兆円前後という売買代金はお正月や海外の祝祭日などの特別なイベントを除くと
直近10年間で過去最悪といわれている2010年7〜10月に匹敵する悪い数字です(´;ω;`)

過去10年間を振り返っても基本的に3〜4月というのは一年でも最も売買が盛んな時期で
一番数字が低迷するのが6月、11月、12月などのイベントに欠ける時期だといわれてます

地震の影響なら時間がたてばそれなりに回復するだろうと楽観的にも考えれますが
相対的に東京市場の魅力が下がって没落したのが原因なら短期での回復は非常に困難でそ
株価そのものが低迷するというより市場として閑散した状態になるのではと危惧してます
そしてその影響を一番受ける業種が証券会社ということになります(´Д⊂)
恐らくこれからの1〜1.5年間は証券会社の株部門も非常に厳しいのではと思ってます。

自分の知る限り、4月に出来高がこんなに低迷するなんて過去に一度も記憶がありません
最盛期のはずの4月ですらこの状況なのでその他の月なんてどうなるんだと危惧してます
特にネット証券では、株式手数料収益への依存度の高い松井証券カブドットコムあたり
対面証券では大手を除いた中堅以下の競争力の低い従来証券が大ダメージを受けるでそ

歴史が証明しているとおり小氷河期がきて飢饉になると食料の奪い合いが激しくなります
そして少ない食料をめっぐっての争奪が激しくなり国が乱れて大乱世になったわけです。
これとほぼ同じことが日本の証券会社でも起きるだろうと予感してます(*・ω・)ノ
最近では大手の日興証券がついに信用手数料を無料化にまで踏み切ってきました
IDO証券やクリック証券も信用手数料値下げや無料キャンペーンを大々的にやってます。
その背景には少ない食料(個人投資家)をめぐる争奪が激しくなったことを意味します
大手証券のさらなる値下げと侵略が激しくなり、後発組のネット証券が派手に動き出せば
間に挟まれてしまう従来の大手ネット証券はかなり厳しい立場におかれてしまいます
SBI証券、楽天証券はすでに証券会社というよりも金融コングロマリットというべき
一大金融グループ化することで独自のブロック経済圏を築きつつあります(´∀`*)
独自ネットワークの中でブロック経済圏を築けば外部からの影響を緩和できます

一方、大手の中でその流れに完全に出遅れた松井証券、マネックス、カブコムあたりは
手数料が高めで競争力が低いこともあって収奪戦争の最前線に晒されてしまうでしょう
事実この3社は、過去3年・5年間で見てもシェアと収益の凋落に歯止めが利いてません
過去の数字を見るとわかりますが、手数料が比較的安くデイトレーダー層が多い証券会社は
市場の売買代金が落ち込んでも売買代金の現象は比較的少なく済んでます
一方、手数料が高い証券会社は、先月のように市場が荒れてボラティリティが上昇すると
一気に売買代金が増えますが市場ボラが低下すると極端に売買代金が落ち込みます
そしてぼくちんの感触ではそのボラティリティの低い状況がしばらく続くと感じています。
つまり、手数料が高い証券会社が不利な状況がかなり長期続くと考えています(´Д⊂)

マネックスが近年になってあれほどまでに焦って急激な海外展開を強行してるのは
やはり日本市場の長期低迷と没落にうすうす気がついてるからなんじゃないでしょか
そうでもなかったらあそこまで急激な展開というのはなかなかやらないと思います
そういう意味でも少なくとも現状に対する危機感を強く持って戦略を立ててる訳ですから
マネックスはそれでもまだマシな方なのかもしれません(´∀`*)

相対的に見て長期的視点で考えると一番まずい立場に追い込まれてるのは松井証券です
6年ほど前からひたすら守りに入って具体的な戦略も次世代への投資も怠ってきたので
顧客基盤という足腰も完全に弱ってるし、他社に比べると3周くらい周回遅れですから。
資産はあるので会社の存続にかかわるような事態になることはありえませんが
少なくとも競争から完全に落伍して没落していくだろうと予感してます
今さら手数料値下げを下げてもいまさら松井証券にお客が戻ってくるとは思えません。
下げたところで収益は減るだけなので「なにもしない」という判断を選んでる訳でそ
だからといって下げなければお客はどんどん逃げてゆく一方です。
これから焦ってネット銀行を設立して金融グループ化したり海外展開を押し進めるにしても
出遅れてしまったことでノウハウも人材も、対策を打つための時間も残ってません
残念ながら余りにも戦略を打つのが遅れてしまったため回復不能な状態に陥ってるでそ。
会社にとって一番のリスクは投資で損失を抱えることではなく経営判断をしないことです
このままなにもしないで判断を保留し続けるなら緩慢な死を迎えるだけでしょう。
変化は痛みと苦しさを伴いますが生き残る可能性を残します。
一方、変化しないことは痛みを伴いませんが生き残る可能性をすべて奪い取ります。
これは生物学上においても歴史上においても証明されている事実です

もしこのまま出来高の長期低迷が続けばどの証券も自前の畑だけでは食べていけません。
そうなれば最早、生き残るために隣国に攻め込んで畑を奪い取るしかなくなるわけです
おそらくこれからの1〜1.5年間の間にすさまじく荒れた戦乱時代がやってくるでしょう。
ここから先は地獄のような戦乱と競争力の劣る証券会社の没落が起きるだろってことです。


ss2286234570 at 13:23|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加