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ネット生損保

2018年11月30日

赤字のau損保がその後どうなったか調べてみた

最近やたらKDDIが金融事業に参入してることを書いたので
そういえばau損保ってのあったなと思いだしたので調べてみたにょ(σ´∀`)σ
なんでこのau損保を取り上げたかというとLINE損保とビジネスモデルが同じだからです。

KDDIは現在国内だけで5300万ほどスマートフォンなどの契約数を持っています。
この5300万人の顧客を利用して損保契約を結ばせれば儲かるじゃん
と大きな勘違いをしてKDDIとあいおい損保が出資して作ったのがau損保なんだおね
ちなみにLINEは国内のアクティブ利用者数が7600万人ほどだそうです。
その7600万人のユーザーを利用して損保契約を結ばせれば儲かるじゃん
ともの浅はかな考えでLINEと損保ジャパンが出資して作ったのがLINE保険ですφ(.. )

とりあえず5000万人以上のユーザーがいるからその5000万人に保険を奨めたら
auやLINEのユーザーがガンガン保険契約してくれるだろうっていう浅はかな考え

ちなみにまったくこれと同じ思想でKDDIと三菱UFJが出資して作ったじぶん銀行は
銀行設立して1年も経たずに100億近い大赤字だして銀行を企画した社長が首になって
設立後のたった3年間で400〜500億円もの損失を出してヤバいことになって
最後は親会社が出資した金で三菱UFJ銀行傘下の黒字のサラ金会社を買収させて
利益の付け替えみたいな裏技をやってやっとじぶん銀行は黒字化しました
(なぜなら新規参入した銀行は3年以内に黒字化できなかったら免許抹消だから)
今もなおじぶん銀行は低収益にあえいでいてかろうじて1ケタの黒字で低迷してます
ネット銀行の中ではぶっちぎりの最下位で業績もあんまりよくないです(´・ω・`)

さてここで過去8年間のau損保の決算を調べてみましたφ(.. )
言うまでもなく非常に厳しい決算ですおね。
家賃下げるためなのか本社を品川に引っ越してますね。累損29.6億円と非常に厳しい

平成22年度〜平成29年度損益計算書
1年目純損失 2億6300万円
2年目純損失 3億0400万円
3年目純損失 3億5600万円
4年目純損失 3億0200万円
5年目純利益 9億5100万円
6年目純利益    2600万円
7年目純損失 12億7100万円
8年目純損失 14億4000万円

開業して4年間はずっと赤字で4年目あたりから契約が増えて
5年目に年間売上高が62億円超えて一気に黒字化したものの、そこで見事に頭打ち
7年目は年間売上高が61億円で横ばいだったけど費用が増えて再び大赤字に転落

8年目の決算内容は悲惨の一言だおね(((( ;゚д゚)))
売上高が激減して、さらに前年まで計上してた保険業法第113条繰延資産償却費という
名目上の繰延費用(現金支出を伴わない費用)を計上してないのに赤字拡大してるお
つまりこの繰延費用があったら8年目の赤字額は24億円くらいだったって事でそ
8年目に慌てて親会社向けに7.5億円の新株発行して増資したって書いてあるお(´・ω・`)
売上高が60億円あたりで頭打ちしてからは完全に衰退してる会社です
このまま次のヒット商品がなかったら清算されるか、どこかに吸収合併でしょうね。

ライフネット生命みたいに10〜20年と契約期間の長い保険売ってる会社は
短期的には契約獲得費用が先行するんで赤字額が多いんだけど、
逆にいえば契約期間が長いんで契約数を増やして積み重ねると経営が安定するんですね
ところがau損保みたいに契約期間が短い保険ライフタイムバリューが短い保険)
ばかり扱ってる保険会社は先行して発生する契約獲得費用は生命保険より高くないけど
契約期間が短いんですぐに契約が終わってしまってしまうんで経営が安定しません
結果的にau損保の8年目みたいなことがあっさり起きてしまう訳です(((( ;゚д゚)))

ちなみにLINE保険も比較的かなり契約期間が短い保険ばかりなので
ライフネット生命みたいに10〜20年と安定して売り上げを増やしにくい体質です。
よっぽどセンスが良くて大ヒット、メガヒットができるような保険商品がなかったら
au損保みたいに悲惨な事態に陥る可能性はかなり高いといえるでそうね(´・ω・`)
よほど保険設計のセンスがあって相当なプロではないと厳しい面があるってことです
とりあえずLINEユーザーに売ればいいやみたいな安直な企画で作ったLINE保険が
そこまでのプロフェッショナルなセンスと企画ができるかはかなり怪しいでそ

ライフネットが急伸、保険業法第113条繰延資産の一括償却を発表
https://kabutan.jp/news/?b=n201704200187
ライフネット生命保険<7157>が急伸し年初来高値更新。19日の取引終了後、17年3月期決算において、保険業法第113条繰延資産の一括償却を行うと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。保険会社は、開業当初に多大な事業費が先行して発生することから、保険業法第113条第1項において、開業から5年間の事業費を資産として計上し、10年以内に償却することが認められている。同社でも、開業後の08年度から12年度までに発生した事業費の一部を保険業法第113条繰延資産として計上し、17年度までの10年間で償却するとしており、17年3月期および18年3月期に10億6000万円の均等償却を行う予定だったが、これを17年3月期に一括償却することにしたという。
1203








2013年10月02日
au損保がいつのまにか都落ちへ

2012年11月06日
au損保が、開業してたった1年で社長が引責辞任!安いビルに都落ち

2011年04月03日
AU損保がなぜ失敗するのか?

2011年02月27日
KDDIがまたまた失敗しそうな「au損害保険」を立ち上げました
http://blog.livedoor.jp/ss2286234570/archives/2011-02-27.html 

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2016年08月01日

ライフネット、競合増え契約苦戦 ⇒ 日経がでまかせの嘘でした

ネット生保の草分けに転機 ライフネット、競合増え契約苦戦
2016/8/1 0:40 日本経済新聞 電子版
保険業界に新風を吹き込んだライフネット生命保険が壁に突き当たっている。割安な保険料で急成長したネット生保の草分けだが、競合生保の増加で新規契約の伸び悩みに直面。保険ショップなど販路の拡大に乗り出した。設立10年の節目に反転攻勢の機会をうかがうが、手数料が求められる対面販売への傾斜は割安な保険料を阻害しかねず、道は険しい。
保険商品の収益構造を公開し、特約を省いた分かりやすさで保険業界に一石を投じたライフネット。全国に営業職員を張りつける既存の生保と異なり、人件費や広告宣伝費を抑えた合理的な保険料で子育て世代を中心に高い支持を集めた。
ところが足元で販売の伸び悩みが顕在化している。原因はネット販売に参入する生保が相次いでいることだ。
「保険料が割安な保険会社なら、ほかにもあるから」。定期死亡保険への加入を検討する30代の男性はネットで複数の生保の見積もりを比べながら、こう話す。
例えば、30歳の男性が10年満期の定期死亡保険(保険金1000万円)に入る場合。ライフネットの保険料が月1230円なのに対し、アクサダイレクト生命保険も1240円とほとんど同じ。オリックス生命保険(1310円)や楽天生命保険(1280円)など、割安感を売り物にする後発組が増えるにつれ、ライフネットの存在感が薄れている。新契約から解約・失効を除いた純増数は2015年度が約1万件と、ピークの11年度から8割以上減った

ネット販売と対極の対面販売だが、実はこの商品を全国300店以上で取り扱う。ライフネットの岩瀬大輔社長は「ほかにも店頭で取り扱ってもらえる代理店と協議を進めている」と明かす。足元ではネット販売の比率が7〜8割程度まで落ちているとみられる。
だが販路の拡大はもろ刃の剣でもある。代理店に販売を委ねるほど、実績に応じた手数料が生じる。販売効率を示す1契約あたりの営業費は15年度で5.1万円程度に上り、11年度よりも1.5万円程度多くなった。ある外資系の証券アナリストは「強みである販売効率が薄れかねない」と警鐘を鳴らす。
ライフネットは第三者割当増資の引き受けで筆頭株主になったKDDI(au)とも4月からスマートフォンを使った保険のネット販売に乗り出した。18年度が最終年度の中期経営計画では、同年度の新契約を6万件まで伸ばす目標を立てる。手数料負担との両にらみで最適な販路割合の模索が続く。
0422




ライフネット生命の記事が日経に出てたにょ(σ´∀`)σ

どうやらSBI、楽天、オリックスのような競合のネット生保が増えてきたせいで
競争が激化して契約が取れなくなってきてる苦戦してると言いたいらしいお
ライバル企業がどんどん参入してくるとまずパイの奪い合いが激しくなりますΣ(・ω・ノ)ノ
特にSBIや楽天のようなネット事業に長けてしかも資金力のある競合会社が増えると
新規契約の獲得数が激減しますさらに一方では契約獲得コストが跳ね上がります
ライフネット生命の新規契約数はピークの2011年頃に比べると
なんと2015年度においては80%以上減ってるというのが実情のようです(´;ω;`)

ここまで書くとライフネット生命の叩き記事みたいだけど実際は違うと思います
もちろんライバル企業の新規参入が相次いだ2013〜2014年頃は危機的状況で
シャレにならないくらい契約数が減りまくってヤバイ状態だったのは事実でそう
実際なつさんはちょうどその頃、ライフネット生命の危機的状況を何度か書いてます。

でも最近の足元の数字を見るとむしろ好調に転換しつつあるので
なんで今頃になってこんな特集記事まで組んでライフネット生命を叩いてるのか不思議
過去の申込件数や新規契約件数の推移をていねいに調べてみると
2015年前半くらいまでは毎月前年比割れの散々なヒドイ数字だったけど
KDDIと資本提携したすこし後から明らかに数字が大きく反転してますにょ(σ´∀`)σ
新規契約数も前年比でプラスに転じてるようだし
毎月の保険料収入も前年比でプラスになってるので売上げが伸びてるってこと

まあ競争が激しいので同じ広告費かけても昔より契約が獲れにくくなって
保険1契約を獲得するまでのコストが増えてきてるのは事実だろうけど
ちゃんと契約数も増えてるし保険料収入も増えてるのでむしろ悪くない印象だお
毎月のように前年比割れしてた新規契約数が2015年10月に増加に転じてるおね。

まーそうはいってもこれからも新規参入のネット生保やネット損保は増えそうなので
長い目で見てもレッドオーシャン血で血を洗う戦場になるのは事実です
多少契約数が増えたからって安心できるようなもんではなさそう(´・ω・`)

         新規契約数      申込件数
2015年07月 1,878件(   75%)  2,429件(   74%)
2015年08月 1,858件(   86%)  2,547件(   84%)
2015年09月 1,911件(   79%)  2,689件(   85%)
2015年10月 2,193件( 104%)  2,884件( 102%)
2015年11月 2,255件( 122%)  3,048件( 106%)
2015年12月 2,416件( 116%)  2,839件( 109%)
2016年01月 2,100件(   98%)  3,221件( 106%)
2016年02月 2,252件( 101%)  2,806件(   93%)
2016年03月 2,531件( 100%)  3,062件( 106%)
2016年04月 2,180件( 121%)  3,488件( 130%)
2016年05月 2,541件( 132%)  3,147件( 121%)
2016年06年 2,586件( 127%)  3,494件( 138%)

ライフネット生命(7157) 370円 −5円 (−1.33%)
http://kabutan.jp/stock/chart?code=7157
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=7157.T&ct=z&t=6m&q=c&l=off&z=n&p=m25,m75,b,m65,m130&a=
基本的に大手資本の新規参入が相次いでる業界の株は買わない方がいいです
なぜなら新規参入の業者が常に安売りを仕掛けてくるので
いつまでたっても販売価格の低下と利益率の低下に苦しめられるからです
例えていうなら今の電力業界なんかがまさにそれでそう(´;ω;`)

ライフネットについて調べていて一番嫌な気持ちになるのは
この会社が気持ち悪いくらい天下りの人間を安易に受け入れてしまう体質ってこと(゚д゚)、ペッ
正直言ってあれだけ保険業界を変革するだのなんだのと散々豪語しておいて
ここまで行政べったりの天下り受け入れやってるの見るとすごく気持ちが悪い
よくライフネット生命の社長は政治活動に精を出して政治批判とかしてるけど
ここまで露骨な利益誘導くさい天下りの受け入れやってるの見ると
ここの経営陣は、正直いって根性腐ってるのかなという印象をもってしまうおね(゚д゚)、ペッ

0805




















2015年04月20日
ライフネット生命がKDDI・三菱東京UFJ連合の傘下に 〜藪ドラゴン〜

2014年10月13日
政治活動やってる場合じゃないライフネット生命の決算

2014年05月10日
オワコンどころじゃないライフネット生命(7157)
2014年04月14日
ライフネット生命(7157)の運命の分岐点


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2015年04月20日

ライフネット生命がKDDI・三菱東京UFJ連合の傘下に 〜藪ドラゴン〜

先週、ECサイト運営のルクサを子会社化したばかりのKDDI。今度はライフネット生命保険との資本・業務提携を発表した。ライフネット生命では、監督官庁(金融庁)の認可を経て5月中にもKDDIを割当先とする第三者割当増資を実施する。KDDIはライフネット生命が発行する普通株式800万株 (議決権ベースで15.95%) を30億4000万円で取得する予定。KDDIでは「ライフネット生命はこれまでどおり経営の独立性を維持・確保しながら、さらなる成長を目指す」としている。
KDDIは、プリペイド型決済サービスの「au WALLET」や三菱東京UFJ銀行と共同出資して展開するネット銀行の「じぶん銀行」など、IDサービス「au ID」を起点とした金融事業領域のサービスを展開している。
今回の提携では、「au WALLETやau IDを起点として金融ビジネスをさらに推進し、金融事業領域での事業拡大を目指すとともに、auの商品・サービスと融合した従来にない新たな金融サービスを提供する」としている。
0422









これまでいつもライフネット生命に批判的な意見の多かった当ブログですが
今回のKDDIとの資本提携は最高にGJだと評価します(●´ω`●)
格付けを3段階くらい引き上げてもいいくらいの高い評価だと思います
おそらく考えられる選択肢の中では最高位の素晴らしい選択だったといえるでそう
ソニーFGとかメガバンの傘下にすぐ入るべきだと過去にも書いてますが
今回の件で、ライフネット生命はKDDI・三菱東京UFJ連合の傘下に入ったことになるので
結果的にはメガバン傘下に入ったともいえるんじゃないでそか?

前回、ライフネット生命がオリックス生命や楽天生命に対抗して値下げしたときは
無謀すぎるし業績悪化しか招かない最悪の選択だとこっぴどく批判しました
なぜなら同業のライバルであるオリックス生命、楽天生命、SBI生命は
ライフネット生命なんて足元にも及ばない巨大グループ会社をバックに持ってるからです。
資金力のない企業が資金力のある会社と資金勝負するのはほぼ自殺行為だおね
オリックス、楽天、SBIなんてのは簡単に300〜1000億くらい資金を供給して
実弾攻撃を仕掛けてこれるくらいの超強力な企業グループですφ(.. )

100億円すら調達できないライフネット生命がそんなのを3社同時に相手するなんて
竹やりで戦車と戦うどころか、竹やりで艦載機付きの空母と交戦するようなもんだおね
どんなに力を尽くしても努力しても勝負に負けるのはもう見えてる話ですにょ(σ´∀`)σ
値下げしたのが悪いってゆってる訳じゃなく、力関係と資金力を無視して
無謀な喧嘩をふっかけたところで絶対に勝ち目はないよねって言ってる訳です
まあ今回はその資金力の差が解消されるきっかけになるはずなので大きな好材料でそう。

記事には書いてありませんがKDDIは子会社に「AU損保」なんて会社も持ってます
(ただし毎年3億円の赤字を4年垂れ流してるどうしようもないクズ会社ですけど)
おまけにじぶん銀行というネット銀行まで半額出資してもっているので
ここらでネット生保会社を買収したとしても非常に頷ける話でそう(´∀`*)
KDDIにとって将来的にプラスになる話なのかはわかりませんが
少なくともライフネット生命にしたら超金持ちのバックができたんでイケイケだおね
しかもKDDIは裏で三菱ともつながってるのでKDDI・三菱東京UFJ連合を形成してます。
つまりカブドットコム、じぶん銀行、AU損保、ライフネット生命らは
従兄弟か親戚みたいな関係になるので、互いに協力しあう関係になるってことでそ
ライフネットにしたらこれ以上ない援軍を味方にしたことになるの最高の一手だおね。

むしろ最悪の結果を招いてしまったのはオリックス、楽天、SBIだおね
ここまではグループの資金力で圧倒的に有利な立場で戦略を進めていたのに
いきなり「藪を突いてKDDIというドラゴンが出てきた」のでシャレになりません(´;ω;`)
藪蛇どころか藪ドラゴンという故事の語源になるかもしれないくらいの大失態でそ
まだKDDIが絡んできただけならまだなんとかなる話かもしれませんが
ここでさらに三菱東京UFJやカブドットコムまで絡んでくると厄介です(((( ;゚д゚)))
「藪ドラゴン」だけでなく「藪タイガー」「藪ライオン」まで行くかもしれません
先発のライフネット生命の息の根を止めようと飛び掛ったまさにその瞬間
とんでもない化け物入りの玉手箱を開けてしまったということです(´・ω・`)


2014年10月13日
政治活動やってる場合じゃないライフネット生命の決算

2014年04月14日
ライフネット生命(7157)の運命の分岐点


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2013年08月25日

SBIも再参入を発表。競争が激しくなるネット生保の将来性は?

生命保険にも「価格破壊」の波 ネット専業など台頭、横並び意識崩れる
2013.7.23 09:15 SankeiBiz
生命保険商品の価格競争が激しくなってきた。保険料の安さをアピールしてインターネット専業の生保や損害保険会社傘下の生保がシェアを伸ばしているため、大手生保も対抗して保険料を引き下げたり、保険料の安い商品を発売して値ごろ感を打ち出し、顧客の囲い込みを急ぐ。実際、契約1件当たりの保険料は近年低下している。生命保険文化センターによると、2012年の1世帯当たり(2人以上)の年間保険料は民間生保計43社の平均で36.5万円と、03年より5.7%減少。1世帯当たりの加入件数はこの10年間は横ばいが続く中、「保険料が安い商品が増え、保険を見直す動きが進んでいる」
ただ、保険料の引き下げは収益減に直結するため、販売増や新規事業の収益などで補えなければ、生保の経営が不安定になる恐れもあるだけに、激しい価格競争の中で、保障やサービスを安定的に提供できる体力づくりが欠かせない。

ネット生保、保険料シェアまだ0.02%
2013/7/12 2:00 日本経済新聞電子版
インターネット専業の生命保険会社は2008年に相次ぎ開業した。ライフネット生命保険とアクサダイレクト生命保険だ。右肩上がりの成長を続け、5年間で両社の保有契約は合わせて20万件を超えた。楽天生命保険が4月にネット販売を始めるなど、参入する生保も増えつつある。ただ、1990年代後半からネット取引が始まった証券や損害保険に比べ、消費者への浸透度は遠く及ばない。業界全体の年間の保険料収入37兆円に対し、ネット生保のシェアは0.02%しかない。
ネットの利便性をうたいながら、大半の場合は契約手続きがネット上では完結せず、普及が遅れる一因となっている。例えば、解約返戻金がない保険商品を販売する際は、保険業法によって書面によるやり取りが義務づけられている。健康診断書のコピーを送付するといった手続きの煩雑さも、利用者がネット取引に期待する簡潔さやスピードと相いれない。
株価の値上がりを狙って自ら好んで取引する投資家がいる証券分野と異なり、生命保険はその必要性や利点を訴えにくい点も見逃せない。大手生保の幹部は「生命保険は繰り返し取引する金融商品ではなく、ネットにはなじみにくい」と話している。ネット時代にあったニーズ喚起の手法はまだ試行錯誤の段階だ。
0804









ネット経由のシェア
生命保険 0.02%
損害保険(自動車保険) 6.6%
証 券(株式) 83.2%

ネット生保の新規参入がここのところ急に増えてきています
一時撤退してたSBIも生保に再参入するようだし、チューリヒ生命も参入する様子。
なぜ各社が躍起になってこのセクターに参入してくるのか?理由はとても簡単。
生命保険は既存の対面営業への依存度がいまだに非常に高いからです。
逆にいえば、これからネットへの切り替えが大きく期待できるってことですにょ(σ´∀`)σ

一方でネット生保には大きなデメリット(参入リスク)もあります。
スイッチングコスト(他社から新規契約を乗り換えさせるコスト)がとても高いこと
ここでいうコストというのはお金だけでなく時間も含めた「手間ひま」のことです。
証券というのは手数料が高い対面証券からネット証券への乗換えがとても簡単です
いつでも好きな時に口座を開設してお金と株券を移動するだけですみます
だから対面からネット経由への移動がこれほど短期間の間に起きました。
ところが、損保は平均的な契約期間が数年間、生保では数十年間になったりもします。
そうなると一度対面で契約した人はなかなか容易にはネット経由の契約に移動しません
そういう乗り換えの障害の高さがあって、損保や生保はネットへの移行が進んでません。

さらに顧客の移動が少ないということは新規契約の獲得単価が高いことも意味します
ネット生保各社が競うように激しい安売り競争をしているにもかかわらず
新規契約の獲得単価が高止まりしてるとコスト効率は悪化しやすいってことです
しかも、ネットへのお客の移動がまだそれほど多くもないこの時期に
競うようにしてネット生保への参入が増えれば新規契約獲得単価はさらに上がります

最近はマネックス系のライフネット生命だけでなく楽天も生保セクターに参入しています。
ここにさらにSBI系のネット生保も参入してくるわけなのでさらに競争は激しくなります
そう考えるとライフネット生命の未来がバラ色ってことにはなかなか行かないでそう。
生命保険契約の大幅な手続きの簡略化とか、法整備の改正とか
そういった法的なインフラが大きく変わらないと難しいんじゃないかと思います(´・ω・`)


SBIとチューリヒ生命がネット生保に参入を表明 競争激化か?


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2012年07月07日

ネット損保の決算

最近できたネット損保の決算が出てきました。
やはりSBI損保という大物がいるせいかライバルはどこも業績が厳しいようです(´・ω・`)
SBI損保自身はすでに営業キャッシュフローが黒字転換にしてるそうです
売り上げにあたる保険料収入が猛烈な勢いで伸びてるので黒字化は近いでそう。
詳細はSBIの決算資料P43〜48を参照
http://www.sbigroup.co.jp/investors/library/presentation/pdf/presen120426.pdf

イーデザイン損保
http://kmasterplus.pronexus.co.jp/main/corp/m/1/m113/index.html#
最近やたらとテレビCMで見かけるようになったネット損保のイーデザイン損保です。
平成23年度(平成24年3月期)の決算は営業費用が膨らんで過去最多の赤字です
ただし決算そのものはそれほど悪いものではありません
※経常収益とは「売上高」にあたります。
※保険業法第113条繰り延べ額が繰り延べ損失にあたる部分です。

平成22年度 決算
経常収益 28億6000万円
経常費用 51億0400万円
-----------------------------------
繰延損失 38億6500万円
経常損失 22億4300万円

平成23年度 決算
経常収益 52億1900万円(+82.4%)
経常費用 82億1500万円(+59.8%)
-----------------------------------
繰延損失 58億5000万円(+51.3%)
経常損失 29億9500万円(+33.5%)

一見すると悪化してるようにも見えますが、実際には売上高が激増してるので大幅改善
(売上高にあたるのがまさに保険契約数が増えたことによる保険料収入です)
経常費用の中でも特に販売管理費が20億円増えてるのはTVCMなどの広告宣伝費でそ
保険業というのは、契約が成立すると一定期間は安定的に収益が見込めるので、
一時的に広告宣伝費が膨らんでも契約数が増えて保険料が入れば黒字転換が狙えます
要は、単年度の費用ではなく契約数の増加(保険料収入の増加)が重要ってことですφ(.. )

目先はガンガンテレビCMを打って、派手に宣伝してとにかく契約数を増やしていって
どこかの時点で販売管理費をざっくり削れば黒字転換しやすいということです
ただし、B/S上に出てきている過去4年間の累計損失が88億円あり、
さらに繰り延べ損失の累計額(保険業法第113条繰延資産)が147億円も残っています。
両者と足すと235億円もあり、これからもこの累損額はかなり膨らむはずです。
これを解消して累損を一掃するにはかなりの時間と投資がまだまだ必要でしょう


AU損保
http://www.au-sonpo.co.jp/pc/corporate/kessan/index.html
au損保は、できて2年目なのでまだ確定した評価といえませんが、
少なくとも過去2年間の営業成績で評価すれば「かなり悪い」といわざるを得ません
経常損失が減ったように見えますが、繰り延べ損失が増えただけなので無意味です。
とにかく売上高(経常収益)が少なすぎるの一言に尽きるとおもいます

平成22年度 決算
経常収益 500万円
経常費用 2億3500万円
-----------------------------------
繰延損失 9200万円
経常損失 2億3000万円

23年度 決算
経常収益 7700万円
経常費用 1億7200万円
-----------------------------------
繰延損失 7億6000万円
経常損失 9400万円

会社設立時に出資した資本金と資本準備金を足すと45億円ほどです
B/S上に出てきている過去2年間の累計損失が5.7億円あり、
さらに繰り延べ損失の累計額(保険業法第113条繰延資産)が7.5億円ほどあります。
2年目でいきなり増資に追い込まれたイーデザイン損保よりはましかもしれませんが、
規模が小さい地味な営業活動の割りにそれなりの額の資本をすでに失っています(´Д⊂)
なにより保険会社として本来あるべき売上高(=保険料収入)が少なすぎるでそ
虎ノ門の本社ビルの年間不動産費用だって年間で1億円は行くはずです
年間不動産費用より売上高が少ないってのはけっこう酷い話だと思いますにょ(σ´∀`)σ

営業を開始してたった1年で社長の首が飛んでるということは、
当初の事業計画書がはやくも破綻濃厚となって引責辞任に追い込まれたってことでそ
開業1年目で大赤字になって社長の首が飛んだ『じぶん銀行』とそっくりですφ(.. )
とにかく急いで大型増資をして資本注入をすべきでそう
その資金で売上げに貢献できる収益力のある保険商品のラインナップを充実させて、
それから何十億円でも注ぎ込んで広告宣伝を派手にやって契約数を増やすしかありません

そもそもなんでモバイル損保という微妙なコアビジネスに特化したのかが理解できません。
最初から資金を注ぎ込んで、普通のネット損保にすれば良かっただけなのでは。。。

ss2286234570 at 13:10|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加