2013年12月25日
東証夜間取引 〜東証の思惑、証券会社の思惑〜
東京証券取引所が開設を検討している夜間取引市場をめぐり、証券会社間の考え方の違いが鮮明になっている。ネット証券大手の松井証券が開設を求める要望書を東証に提出する一方で、店舗を持つ対面型の大手、大和証券グループ本社の日比野隆司社長は否定的な見解を示す。東証は平成22年にも夜間取引を検討したことがあるが、関係者の反対で見送った経緯があり、今後の判断が改めて注目されている。
これに対し、対面型の証券会社は反対姿勢だ。店舗の営業時間延長などで、人件費やシステム投資などのコストが大きく膨らむ懸念があるためとみられる。店舗を持たないネット証券が、コールセンターの時間延長など比較的手軽な対応で済むのとは対照的だ。大和の日比野社長は先月の説明会で夜間市場について「切迫したニーズも必然性もない。慎重に検討してほしい」と強調した。
日本取引所グループ(8697)の斉藤惇グループ最高経営責任者(CEO)は17日の記者会見で、「来年は夜間取引の議論を深めていきたい」と述べ、さらなる取引時間の延長などの議論を本格化させる意向を示した。斉藤氏は夜間取引を巡る問題意識として「午後3時以降の企業の適時開示で、海外の米預託証券(ADR)などで新たな株価が発見され、それが翌朝の東京市場に反映されるのは健全でないと考える」と指摘。新たな株価材料が発生した場合に「速やかに取引の場を提供するのも市場開設者の責務だ」と述べた。
東証の「夜間取引」について様々な立場からの思惑(おもわく)が交差してるようです

個人投資家は夜間市場にかなり前向きな姿勢のようで、東証の姿勢を支持。
ネット証券各社も東証支持派ですが、大手証券や地場証券は大反対の姿勢です

結局前回と同じような意見がまっぷたつの状況のようですにょ(σ´∀`)σ
両社の利害は完全に対立してるので「解決方法」はたぶんありません。
前回、東証が夜間取引開設を意図したときは大手証券らの反対で即潰されました

しかし今回については、東証が反対意見を押し切ってやるだろうと予測しています。
理由は非常に簡単で、東証がすでに上場をしてしまっている「公の会社」だからです。
上場以前においては、東証の株主は東証会員権を持つ証券会社でした。
したがって、会員権を持つ多数派である大手証券や対面証券の勢力が圧倒的でした。
ところが現在はこのシガラミがすでに解けてしまっています。
資金難だった中小の地場証券はほとんど保有株を売却してしまってるし

大手証券の一部がまだ東証の株を持ってたとしてもすでに大多数ではありません

なにより上場してしまったのですから、株主でもない証券会社が口を挟んで
夜間市場に反対したところで、「権力の執行」という意味でほぼ無力です。
東証の経営判断に関与しうるのは現株主の意見だけで、
なにより東証の経営判断は「東証の利潤を最大化にする」という一点に絞られます。
すでに株を売ってしまった無関係な第三者(大手証券や中小の地場証券)が
東証の経営判断に口を出す余地はもうまったくなくなってしまっているのが現状でそ

最終的には「東証の利潤を最大化にする」ための経営陣の判断がすべてでそう。
というわけで、最終的には東証の独断で夜間取引を開始してしまうと思いますφ(.. )
まあそうは言っても個別の証券会社の参加あっての話なので、
証券会社がシステム的な対応を一律達成するまでは開始は不可能です

場合によっては「参加しない」という証券会社が出てきてもおかしくないので、
それらに対する方針を決めたりスケジュール調整など問題は山積みでそ(´・ω・`)
当初ニュースに出ていたような2014年年末に開始ってのは厳しすぎると思います。
早くても2015年、遅ければ2016年くらいってとこじゃないでそか

なつさん個人としては「夜間市場」はやっても面白い試みだと思います。
ただし、全銘柄を対象にして取引するほどの価値もないかなとも思いますφ(.. )
以前やっていた夜間取引を見ていても、個人だけでは流動性が枯渇してました

今現在のところ、個人投資家の株式委託売買代金の90%以上はネット証券経由なので
大手証券や中小地場証券が夜間取引に参加したとて大した効果は期待できません。
「個人投資家の注文だけ」で流動性を確保ってのはかなり難しいでそう

一番良い方法は「資金を集中させる」仕組みと「流動性の厚み」を出すことだおね(`・ω・´)
例えば、夜間取引で扱う銘柄をマザーズ市場のみに限定するってのもありでそう。
そして夜間取引で信用取引を可能にしてしまえば最高の手でしょう。
もし夜間取引が「マザーズ市場だけ」なら大手証券もあまり文句は言い難くなります。
(なぜなら、自分とこの大口の法人客や機関投資家はマザーズ銘柄を持ってないから)
個人投資家はボラティリティの高い取引を楽しみ


参加しなかった地場証券や大手証券にもそれほどの不利益は発生しません。
これが三方にとって一番良い結果になるんではないでそかφ(.. )