2013年08月25日
SBIも再参入を発表。競争が激しくなるネット生保の将来性は?
生命保険にも「価格破壊」の波 ネット専業など台頭、横並び意識崩れる
2013.7.23 09:15 SankeiBiz
生命保険商品の価格競争が激しくなってきた。保険料の安さをアピールしてインターネット専業の生保や損害保険会社傘下の生保がシェアを伸ばしているため、大手生保も対抗して保険料を引き下げたり、保険料の安い商品を発売して値ごろ感を打ち出し、顧客の囲い込みを急ぐ。実際、契約1件当たりの保険料は近年低下している。生命保険文化センターによると、2012年の1世帯当たり(2人以上)の年間保険料は民間生保計43社の平均で36.5万円と、03年より5.7%減少。1世帯当たりの加入件数はこの10年間は横ばいが続く中、「保険料が安い商品が増え、保険を見直す動きが進んでいる」ただ、保険料の引き下げは収益減に直結するため、販売増や新規事業の収益などで補えなければ、生保の経営が不安定になる恐れもあるだけに、激しい価格競争の中で、保障やサービスを安定的に提供できる体力づくりが欠かせない。
ネット生保、保険料シェアまだ0.02%
2013/7/12 2:00 日本経済新聞電子版
インターネット専業の生命保険会社は2008年に相次ぎ開業した。ライフネット生命保険とアクサダイレクト生命保険だ。右肩上がりの成長を続け、5年間で両社の保有契約は合わせて20万件を超えた。楽天生命保険が4月にネット販売を始めるなど、参入する生保も増えつつある。ただ、1990年代後半からネット取引が始まった証券や損害保険に比べ、消費者への浸透度は遠く及ばない。業界全体の年間の保険料収入37兆円に対し、ネット生保のシェアは0.02%しかない。ネットの利便性をうたいながら、大半の場合は契約手続きがネット上では完結せず、普及が遅れる一因となっている。例えば、解約返戻金がない保険商品を販売する際は、保険業法によって書面によるやり取りが義務づけられている。健康診断書のコピーを送付するといった手続きの煩雑さも、利用者がネット取引に期待する簡潔さやスピードと相いれない。
株価の値上がりを狙って自ら好んで取引する投資家がいる証券分野と異なり、生命保険はその必要性や利点を訴えにくい点も見逃せない。大手生保の幹部は「生命保険は繰り返し取引する金融商品ではなく、ネットにはなじみにくい」と話している。ネット時代にあったニーズ喚起の手法はまだ試行錯誤の段階だ。

ネット経由のシェア
生命保険 0.02%
損害保険(自動車保険) 6.6%
証 券(株式) 83.2%
ネット生保の新規参入がここのところ急に増えてきています

一時撤退してたSBIも生保に再参入するようだし、チューリヒ生命も参入する様子。
なぜ各社が躍起になってこのセクターに参入してくるのか?理由はとても簡単。
生命保険は既存の対面営業への依存度がいまだに非常に高いからです。
逆にいえば、これからネットへの切り替えが大きく期待できるってことですにょ(σ´∀`)σ
一方でネット生保には大きなデメリット(参入リスク)もあります。
スイッチングコスト(他社から新規契約を乗り換えさせるコスト)がとても高いこと

ここでいうコストというのはお金だけでなく時間も含めた「手間ひま」のことです。
証券というのは手数料が高い対面証券からネット証券への乗換えがとても簡単です
いつでも好きな時に口座を開設してお金と株券を移動するだけですみます

だから対面からネット経由への移動がこれほど短期間の間に起きました。
ところが、損保は平均的な契約期間が数年間、生保では数十年間になったりもします。
そうなると一度対面で契約した人はなかなか容易にはネット経由の契約に移動しません

そういう乗り換えの障害の高さがあって、損保や生保はネットへの移行が進んでません。
さらに顧客の移動が少ないということは新規契約の獲得単価が高いことも意味します

ネット生保各社が競うように激しい安売り競争をしているにもかかわらず
新規契約の獲得単価が高止まりしてるとコスト効率は悪化しやすいってことです

しかも、ネットへのお客の移動がまだそれほど多くもないこの時期に
競うようにしてネット生保への参入が増えれば新規契約獲得単価はさらに上がります

最近はマネックス系のライフネット生命だけでなく楽天も生保セクターに参入しています。
ここにさらにSBI系のネット生保も参入してくるわけなのでさらに競争は激しくなります

そう考えるとライフネット生命の未来がバラ色ってことにはなかなか行かないでそう。
生命保険契約の大幅な手続きの簡略化とか、法整備の改正とか
そういった法的なインフラが大きく変わらないと難しいんじゃないかと思います(´・ω・`)
SBIとチューリヒ生命がネット生保に参入を表明 競争激化か?