yogurting ヨーグルティング

2013年07月29日

財務省と金融庁との妥協ライン= NISA

大和証券グループ本社やカブドットコム証券が2014年1月に始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)の口座で扱う金融商品の販売手数料を無料にする。口座開設の予約件数は証券界だけで200万に迫っており、新たな顧客層を取り込もうとする競争が激しくなっている。
NISAは年100万円までの投資について配当や譲渡益が5年にわたり、非課税になる制度。大和証券グループ本社はNISA口座を開設した顧客に薦める200本の投信の販売手数料を無料にする検討に入った。SMBC日興証券やいちよし証券も14年の1年間は、NISA口座で扱う投信の販売手数料をなくす方針。
ネット証券大手のカブドットコム証券は日本株の売買手数料を14年中に限り、無料にする。業界2位の楽天証券が14年からNISA口座を使う顧客の株式売買手数料を一律105円にすると発表したのに対抗する。他のネット証券にも値下げの動きが広がる可能性がある。
証券各社はNISA口座の管理にかかる手数料も無料にする方針を打ち出している。今春から受け付け始めた事前の口座開設予約数は7月時点で200万件に達したもよう。
14年1月の制度導入前から顧客の獲得競争が激しくなっているのは、NISAの専用口座は1人につき1口座しか開設できないという事情も影響している。顧客は選んだ金融機関にいったん口座を開くと、その後4年間は他の金融機関に乗り換えることができない。手数料をゼロにすれば証券会社の収入は減るが、NISAを入り口に投資経験を積んだ顧客が株式や投信の売買を増やせば、「中長期で顧客基盤が広がり、コストを回収できる」(ネット証券大手社長)とみている。

――14年に始まるNISAではインターネット証券の顧客はどのように利用するとみているか。
「投信と株の組み合わせが多いと思う。ネット証券の顧客は比較検討して商品を選ぶ。日本株は人気があるので手数料の安いETFは人気になるのではないか。対面の証券会社の顧客は投信が中心になると思うが、ネット証券ではETFを含む株式を購入する比率が高くなると見ている」
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NISA口座の全てを否定するつもりはないのですが、どうしてもこの押し売りには辟易します。
概要や設計を見る限りおよそ個人投資家にとって大きなメリットがあるとは思えないのに、
証券会社や銀行が必死になって売り込もうと競ってるの見ると・・・ドン引きです(´・ω・`)
本気でお客のためになると思ってたらこんなもん奨める訳がないとおもう。
こないだ発売されたザイにもはっきりとNISAの欠陥部分が指摘されてましたおね

やはり一番問題なのは実際に利用する投資家の利便性を無視していることです(゚д゚)、ペッ
税金を上げて税収を増やしたい財務省、一方、税率を下げたい金融庁の綱引きがあり、
その両社の妥協点として、落としどころに仕立て上げられたのがこのNISAです。
そもそも個人投資家のための制度でもなんでもありません。
対立する官庁の利害調整の結果として産み出されたというただそれだけの制度です

まず一番問題なのが「株で儲かること」を前提に税制が設計されてること(つд⊂)ゴシゴシ
長期投資で「毎年株が上がり続けると税金が安くなる」という夢のプランで設計されてる点です。
だから、下がった時に投資家が損する場合のことを前提に設計されていません
NISA口座はあくまで「儲かったときに税金が非課税になる」というだけの制度で、
株や投信で損失を出した投資家へのケアがまったく想定されていません。
だからNISA口座と通常の証券口座間で損益通算という手法もできません(゚ロ゚;)エェッ!?
正直なところ、この時点で完全に欠陥制度じゃねえかよと思うのです。

しかも長期投資で含み損を抱えたままの投資家はさらに悲惨です。
当初100万円の評価で買ったトヨタ株が5年間の非課税期間に20万円まで下がったとします
5年後、その下がった株は取得価額が20万円の評価で通常証券口座に移されます。
その後、20万円で評価された株が50万円に上がると30万円分利益について課税されます
おいおい非課税でもなんでもねえじゃねえかよと突っ込んでしまいそうになります。

もし非課税にしたかったら、さらに5年間継続でNISA口座に入れておくしかありません。
でもその5年後(合計10年後)、NISA制度の終了期間がくるとやっぱり同じことの繰り返しです
含み損の株はNISA口座から通常の証券口座に移され、その時の時価が取得価額と評価されます。
もし10年後にトヨタ株が10万円まで下がってたら10万円取得評価されるだけですΣ(´д`;)
その3年後にトヨタ株が100万円まで上がったとすると利益は90万円と試算されます。
90万円の利益から20%の税金が差し引かれるので18万円が国(と地方)に盗られます
つまり13年間放置して同値に戻っただけなのに、税金が18万円盗られて終わりってことです。
こんな悲惨な制度を【税制優遇】とか、【非課税制度】と呼ぶのはムチャクチャでそう

他の口座と損益通算もできず、おまけに他口座に移した株には容赦なく課税される。
あくまで「NISA口座に入れっぱなしで放置、もしくはナンピンしてる時だけ意味がある制度」
なので、およそ通常の取引において有益な制度だとはとても思えません(´Д⊂)
いったい何を考えてこんなマヌケな制度を日本に持ち込んだのでしょうか
せめてもうちょっと欠陥部分を改善してから導入するのが筋というものでしょう?q|゚Д゚|p

ま、NISA口座に株を入れて5年経ったらもう一度NISA口座に入れれるというのは推測部分です。
たぶんできると思いますが、もしかしたらできない可能性もあると思います。
それはそれで取得評価額が20万円で評価されるだけなんでけっこう悲惨ですおね
通常の証券口座に株が移されて、50万円に上がったとしても30万円の利益に課税されるだけ。
仮に100万円に上がったとしても100-20=80万円の利益に課税されるだけです。
当初資産からいえば利益は1円も出てないのに、利益が出たと勝手に推測されてしまうのです
ただただ税金を盗られてお終いという最低最悪の結果を迎えるというすごい制度です(p_q*)シクシク


ss2286234570 at 00:31│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 NISA | 競争激化

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