yogurting ヨーグルティング

2012年07月07日

ネット損保の決算

最近できたネット損保の決算が出てきました。
やはりSBI損保という大物がいるせいかライバルはどこも業績が厳しいようです(´・ω・`)
SBI損保自身はすでに営業キャッシュフローが黒字転換にしてるそうです
売り上げにあたる保険料収入が猛烈な勢いで伸びてるので黒字化は近いでそう。
詳細はSBIの決算資料P43〜48を参照
http://www.sbigroup.co.jp/investors/library/presentation/pdf/presen120426.pdf

イーデザイン損保
http://kmasterplus.pronexus.co.jp/main/corp/m/1/m113/index.html#
最近やたらとテレビCMで見かけるようになったネット損保のイーデザイン損保です。
平成23年度(平成24年3月期)の決算は営業費用が膨らんで過去最多の赤字です
ただし決算そのものはそれほど悪いものではありません
※経常収益とは「売上高」にあたります。
※保険業法第113条繰り延べ額が繰り延べ損失にあたる部分です。

平成22年度 決算
経常収益 28億6000万円
経常費用 51億0400万円
-----------------------------------
繰延損失 38億6500万円
経常損失 22億4300万円

平成23年度 決算
経常収益 52億1900万円(+82.4%)
経常費用 82億1500万円(+59.8%)
-----------------------------------
繰延損失 58億5000万円(+51.3%)
経常損失 29億9500万円(+33.5%)

一見すると悪化してるようにも見えますが、実際には売上高が激増してるので大幅改善
(売上高にあたるのがまさに保険契約数が増えたことによる保険料収入です)
経常費用の中でも特に販売管理費が20億円増えてるのはTVCMなどの広告宣伝費でそ
保険業というのは、契約が成立すると一定期間は安定的に収益が見込めるので、
一時的に広告宣伝費が膨らんでも契約数が増えて保険料が入れば黒字転換が狙えます
要は、単年度の費用ではなく契約数の増加(保険料収入の増加)が重要ってことですφ(.. )

目先はガンガンテレビCMを打って、派手に宣伝してとにかく契約数を増やしていって
どこかの時点で販売管理費をざっくり削れば黒字転換しやすいということです
ただし、B/S上に出てきている過去4年間の累計損失が88億円あり、
さらに繰り延べ損失の累計額(保険業法第113条繰延資産)が147億円も残っています。
両者と足すと235億円もあり、これからもこの累損額はかなり膨らむはずです。
これを解消して累損を一掃するにはかなりの時間と投資がまだまだ必要でしょう


AU損保
http://www.au-sonpo.co.jp/pc/corporate/kessan/index.html
au損保は、できて2年目なのでまだ確定した評価といえませんが、
少なくとも過去2年間の営業成績で評価すれば「かなり悪い」といわざるを得ません
経常損失が減ったように見えますが、繰り延べ損失が増えただけなので無意味です。
とにかく売上高(経常収益)が少なすぎるの一言に尽きるとおもいます

平成22年度 決算
経常収益 500万円
経常費用 2億3500万円
-----------------------------------
繰延損失 9200万円
経常損失 2億3000万円

23年度 決算
経常収益 7700万円
経常費用 1億7200万円
-----------------------------------
繰延損失 7億6000万円
経常損失 9400万円

会社設立時に出資した資本金と資本準備金を足すと45億円ほどです
B/S上に出てきている過去2年間の累計損失が5.7億円あり、
さらに繰り延べ損失の累計額(保険業法第113条繰延資産)が7.5億円ほどあります。
2年目でいきなり増資に追い込まれたイーデザイン損保よりはましかもしれませんが、
規模が小さい地味な営業活動の割りにそれなりの額の資本をすでに失っています(´Д⊂)
なにより保険会社として本来あるべき売上高(=保険料収入)が少なすぎるでそ
虎ノ門の本社ビルの年間不動産費用だって年間で1億円は行くはずです
年間不動産費用より売上高が少ないってのはけっこう酷い話だと思いますにょ(σ´∀`)σ

営業を開始してたった1年で社長の首が飛んでるということは、
当初の事業計画書がはやくも破綻濃厚となって引責辞任に追い込まれたってことでそ
開業1年目で大赤字になって社長の首が飛んだ『じぶん銀行』とそっくりですφ(.. )
とにかく急いで大型増資をして資本注入をすべきでそう
その資金で売上げに貢献できる収益力のある保険商品のラインナップを充実させて、
それから何十億円でも注ぎ込んで広告宣伝を派手にやって契約数を増やすしかありません

そもそもなんでモバイル損保という微妙なコアビジネスに特化したのかが理解できません。
最初から資金を注ぎ込んで、普通のネット損保にすれば良かっただけなのでは。。。

ss2286234570 at 13:10│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 ネット生損保 | 新規参入

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