yogurting ヨーグルティング

2010年07月18日

ネット企業の将来性は「SE系の転職雑誌」を研究しろ  〜その3〜

なぜぼくちんが設立して1年目の企業に対して厳しく書いているのか
それはシステムというのはボタンの掛け間違いの修正ができないからです
1年目に間違った方法を選ぶと、3年目も5年目も間違ったままだからですにょ(σ´∀`)σ

富士山に間違ったルートを選んで登山しても登りきるまでに死んでしまうのと同じです。
とにかく最初の1年目と2年目が全てといっていいでしょう(。・ω・)ノ゙
ベンチャーのネット企業が3年目以降に業績好転できるなんて奇跡みたいな確率です
ましてシステム開発費用が膨れやすい金融機関であればなおさらのことです。

その点、住信SBIネット銀行を作った北尾さんは優秀でした
1年目と2年目が勝負どころだと銀行設立前からはっきりと認識していて
SBIの決算説明会で”早期の黒字化”が絶対命題で運命の分岐点だと何度も言ってました。
そのための綿密な準備に長い時間を投じたもののそれはムダではないと言ってました。
結果的にまったくその通りになりました
甘いコスト意識と適当な準備と見切り発車でサービスを開始したネット銀行やネット証券が
5年後も成功できないなんて当たり前。
間違った方法で富士山に登ってしまえばそれは当然の結果だったということですにょ(σ´∀`)σ


話を少しもどします。
ネット企業の運命をインフラ関連費用が大きく左右するのであれば話は早いでそ
つまりSEを多く採用して「インフラコストをコントロール」しようとしてる会社を探すのです
驚くことにこれはまったく実際にそのとおりです(つд⊂)ゴシゴシ
最近よく伸びてるネット企業のほとんどはSEの直接雇用とシステムの内製化をやってます。
サイバーエージェントも楽天も山のように毎年SEを採用して増やし続けています
「SE系の転職雑誌」をみれば採用広告に大金をを投じてるのが一目瞭然ですにょ(σ´∀`)σ

楽天は楽天市場だけでなくほとんどのサービス全てをネット上で展開してるので
訪問者数もとんでもない数に上りますし、システムへの負荷もすごいことになります。
ネット上のあらゆる顧客の行動で凄まじい数のトランザクション処理が発生します。
これを支えるシステムインフラをすべて外部委託すればとてつもなく固定費が嵩んで
その費用だけで洒落にならない業績になりかねません
楽天にとっては優秀なSEの確保と自社運用ノウハウこそが企業の生命線ってことです(*´∀`*)ムフー
同じようにアメーバというサービスを開始したサイバーエージェントも
近年になってSE職の採用をものすごい勢いで増やしてます
すべて新しいサービスの開発コストを下げ&インフラの運用費を下げるための施策です
どちらの会社も営業利益率が非常に高まっていて一貫して業績が伸びています



ミクシィ(2121) -9,500 -2.19%
http://money.www.infoseek.co.jp/MnStock/2121.t/schart.html?search=1
ミクシィはSEの直接雇用とサービスの社内開発体制に出遅れています
顧客向けに提供されいるアプリも外部委託によって開発されたものが多いです。
実際使ってみるとわかりますが、仕様が今一なのに改良頻度が低くなかなか改善されません
故にインフラ整備費やシステムやアプリの開発費が高く収益力が低めです
最近になってようやく「転職雑誌」に採用が少し増えてきましたが
その前までは外部委託割合が高く利益率が低い状態がずっと続いていました
もちろんシステムの自社運用やアプリの自社開発も併用してやってきてはいますが
外部依存度が高くそれが利益率の低さに直結していました(´;ω;`)
以前よりは頑張るようになっていますが他社と比べるとまだまだ遅れています
売上金額 136億円(−12.8%)
営業利益  27億円(−27.0%)
当期利益  13億円(−32.7%)
時価総額 654億円
営業利益率は20.2%と昨年の31.2%よりかなり悪化しています
ユーザーが増えるのに比例して運営コストがそれ以上に増えていると予想されます(´Д⊂)
ミクシィの一番の問題点は「大ヒットアプリの開発者が外部の参加業者である」ことです。
いくら人気アプリが大ヒットして課金で大金が入っても半分は外部業者の財布に入ります
こんな状態が続いていては競合の他社に追いつくのはまずムリでしょう。゜(´Д`)゜。



GREE(3632) -100 -1.56%
http://money.www.infoseek.co.jp/MnStock/3632.t/schart/
経営者がもともとSEだったということもあってシステムの自社開発にこだわってきた会社です。
インフラ周りや収益の源泉のアプリ開発なんかも自社製が多いのが特徴ですにょ(σ´∀`)σ
昔から転職雑誌なんかを通じてSEの採用にはかなり積極的な会社でした
売上金額 242億円(176.0%)
営業利益 142億円(149.3%)
当期利益  83億円(175.4%)
時価総額2849億円
営業利益率は65.1%から58.7%と少し低下してしまっています
しかしこの営業利益率はほとんど異常値といっていいくらいのレベルです
広告宣伝費を増やしたことで営業利益率は少し低下したようですが
もともとのランニングコストが恐ろしく低いので利益率がとんでもないです
アプリの開発費やインフラ設備費も安いので利益率がハンパじゃありません(゚∀゚)アヒャヒャ
なんせこの数字はあくまで第三4半期までの数字なので通期の数字はもっと上です
売上高320億、営業利益180億円くらいまで達するのではないかと思われます。


ディー・エヌ・エー(2432) -39 -1.77%
http://money.www.infoseek.co.jp/MnStock/2432.t/schart/
売上金額 481億円(27.9%)
営業利益 212億円(34.2%)
当期利益 113億円(42.9%)
時価総額3160億円
営業利益率は42.1%から44.2%とむしろ昨年から改善しているのでかなりすごい
よくテレビCMを流すと広告宣伝費が嵩むので業績が悪化するというアホな人間がいる
こいつは今のテレビ局の実情や広告単価がまったく理解できてないんだと思う。
現在のTV局は恐ろしく業績が悪くCMの出稿単価は数年前の半額以下にまで暴落してます
つまりむかし20億円かかってたコストが半額の10億円以下で納まるということ
CMを大量に流してるからコストが悪化するなんてのは企業のコスト分析ができてない証拠で
ネット企業で発生する費用の大半はシステム開発費やインフラ費用がほとんどを占めます
ユーザー数が数百万人もいるサイト運営会社においては特にこれが当てはまります(´Д⊂)
一番重要なのでインフラコストの低減コストのコントロール能力ってことです。
いくらCM広告費を増やそうが減らそうが業績や損益分岐点には影響度が低いってこと。
実は、昔のディー・エヌ・エーという会社はシステムインフラ構築や開発をほぼ外注していて
ものすごく営業利益率が低くて会社の業績も今一だったのです
理由は不明ですが、いきなりシステムの内製化と自社開発に目覚めて
ものすごい数のSEを毎年のように採用しまくってコストを押し下げることに成功しました
転職雑誌や転職サイトには鬼のように募集広告を出してるので誰でも知ってるはずです(´∀`)
中国へのビジネス展開もかなり本格的に稼動しているようなので
国内市場がもうすぐ飽和状態になっても成長できる道をちゃんと探しているようです
3社の中でどれか一つを選べた言われたら長期的な可能性としてはここでしょう。



ちなみにこの有名な三社の弱点はスマートフォンへの対応の遅れです
原因は主な顧客層にはまだ従来のモバイル端末利用者が多かったことで
旧モバイルからスマートフォンへのサービスとシステムの開発が明らかに遅れています
現段階ではまだスマートフォンへの流れが本格化してないので影響は機微ですが
数年以内に決定的な流れの変化が起きた時に致命傷を浴びる可能性があります
なんせiPhoneやアンドロイド向けの商用アプリを高度に開発できる技術者は多くなく
お金や時間をかければ優秀な人材が確保できるという状況ではないからです
特に先行した企業が優秀な技術者をあらかた押さえてしまっていると
後発の企業はいくらお金が積んでも簡単には人材の確保ができなくなるからです

ネット企業にはたった一度の判断の遅れが企業の運命も左右してしまうことがよくあります(((( ;゚д゚)))
軽く考えていると火傷程度では済まない事だってあるということです
特に技術者の人材確保に出遅れたミクシィはここで失敗すると致傷率が高めです

ss2286234570 at 22:05│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業分析 | 新興企業

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔