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2023年01月23日

2023年01月23日

楽天の利回り10%外貨建て社債ってぶっちゃけどうなの?

楽天「不調の元凶」に改善の余地はあるか。異例の“高利回り社債”発行も
2022/12/30(金) 8:47
楽天グループが金策に奔走しています。2022年11月に総額700億円のドル建てディスカウント債を発行すると報じられました。利率は10.25%。ディスカウント債は額面金額よりも安く発行されます。その差額分を加味すると12%というもの。調達した資金は債務の返済や運転資金に充当します。楽天は2019年にもドル建ての債券を発行していますが、その際の利率は3.55%でした。10%超という高利回りの債券を発行しなければならないほど、楽天は窮地に追い込まれています。

楽天ドル建て債、利率年10.250%に決定 約700億円発行
2022年11月24日 17:24 日本経済新聞
楽天グループは24日までに、ドル建ての無担保優先債の発行条件を決めた。年限2年のディスカウント債で、利率は年10.250%。割引分を加味した最終的な利回りは12%となる。発行額は総額5億ドル(約700億円)。調達資金はモバイル事業への資本投資や、債務返済を含む運転資金に充てる。
発行日は11月30日。米モルガン・スタンレーなどが主幹事を務める。米格付け大手のS&Pグローバルは16日、同社債について投機的水準とされる「ダブルBプラス」の格付けとした。
楽天は2020年に携帯事業に本格参入し、基地局の建設などに1兆円超を投じてきた。基地局数は約5万局、人口カバー率も98%に達するが、23年中に4G基地局を6万局、人口カバー率を99%以上にするとの方針も掲げる。
楽天は21年に3000億円の普通社債を発行したほか、今年6月には個人向けに1500億円の普通社債(愛称=楽天モバイル債)も発行した。資本性の高い資金を調達するため、楽天銀行などの新規株式公開(IPO)も計画している。
キャプチャ



楽天が利回り10%超の社債を発行した時に色々とさわがれていましたけど(´・ω・`)
これ一番気をつけて記事を読まないといけないのは「米ドの外貨建て債」の部分。

「10%超の社債を発行しなければならないほどに楽天は追いこまれている」とかアホみたいなこと書いてますけど、この記者為替と金利の知識がほとんどない素人ですね
FRBの動向やアメリカ金利の利上げ幅の縮小やインフレ率のことを理解できてない。
金融や経済に関する知識がチンパンジーより少ないバカ記者が書いてるのがわかります
(なんでこんなアホがトンチンカンな記事書いてるのか謎過ぎますね)

そもそも2022年11月30日といったらドル円がまだ138円台超円安の時期でしょう
このタイミングでドル建ての社債発行した楽天はものすごい英断でしょうΣ(・ω・ノ)ノ
もちろん想定外のリスクがない訳ではないけど、アメリカのFRBの利上げ幅の動向や
インフレ率の低下などを徹底的に分析したうえで読み切って判断してるわけですから。
ちょうどアメリカの利上げ幅が縮小され始めたもうここしかないというタイミング。
個人的には楽天ってけっこう良い読みして外債発行するなと正直驚きました

米ドル円チャート
https://fx.minkabu.jp/pair/USDJPY

12月末のテレ東の経済番組で生保の運用担当者や、外銀の為替担当者、外資系証券の為替担当者を10人集めた為替予想番組では、10人中9人が超円高予想でした
実際に為替に関わってる金融機関のプロの担当者は2023年の為替予測は121〜126円
実務についてるその為替のプロの判断を先取りして楽天は判断してたわけですから
冷静に考えたらかなり徹底的な調査を行った上での良い判断であることがわかります

ざっくり計算しただけでもドル建ての外貨建て債を138円で発行したわけなので
社債を返還した時の米ドル円のレートがもし126円ならとんでもなくお得
700億円÷138円×126円=639億円なんでこの時点ですでに支払額が8.7%減ってます。
さらに円高行けば行くほど円貨での支払いが減るっていくんで非常によいですね。

もしドル建て社債の償還日の2024年11月時点の為替がさらに円高にすすんでいれば
例えばドル円118円だったら、700億円÷138円×118円=598億円の支払いです。
700億円の金利10%を2回支払ったら140億円なので合計額は598+140=738億円
もし2年後の為替レートがほんとに118円なら2年間の支払額は738億円で済むので
実質的には38億円÷700億円÷2年=2.71%の金利しか払わないで済むってことでそ

もちろん為替レートで支払額が大きく変動することは事実なんですが(´・ω・`)
もしアメリカのFRBが年内に利上げを終了させて、年末〜来年から利下げに踏み切ったら
さらにドルがメチャクチャに売られて一気に円高に動く可能性が高いですφ(.. )
2023年内は121〜125円、2024年内は115〜120円が視野に入ってくるわけなので
今回の楽天の外貨建て社債は為替込みで考えたら非常によい社債発行とも言えます

為替を頭に入れないから利回り10%の社債発行が暴挙に見えてしまうだけのことで
2年後の為替レートを予想して換算すればそんな大した利回りではありません
なにより楽天は2021年11月のドル円112円の頃には円建てで社債を発行しておいて
これから円高に向かうタイミングの138円の時には今度はドル建てで発行してます。

非常に狡猾というか、しっかり為替を読んで慎重に社債発行してますよね(´・ω・`)
記事に出てくる金利の数字だけ見て、為替を考慮せずに考えるからバカなだけであって
冷静に計算したら今回のドル建て10%の社債は非常に理にかなってると思われます
もう少し数字を算出してから記事の内容を読まないと騙されるだけでしょね

楽天グループ(4755) 655円 +22円 (+3.47%)
https://kabutan.jp/stock/chart?code=4755
https://finance.yahoo.co.jp/quote/4755.T/chart

楽天Gが6本立て総額3000億円を起債、円債で同社最大規模
2021年11月26日 10:39 ブルームバーグ
楽天グループは26日、6本立て総額3000億円に上る普通社債の発行条件を決めた。一度に発行する円建て債としては同社最大規模となる。今回の社債発行額は当初、総額2000億円程度が予定されていたが、24日時点で3000億円まで引き上げられ、楽天Gが発行する円建て社債としては、2018年12月の劣後債3本立て総額1820億円を抜いて過去最大となった。

2023年01月14日
楽天G、社債2500億円発行へ(利回り2〜4%) 携帯電話事業に充当


ss2286234570 at 18:41|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 携帯電話事業 | 社債